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高森明勅
2010.5.24 16:06

第二回道場の質問(5)

Q7
女性天皇ではご公務と子育てでご負担が大きくなってしまうのでは?

A
そのご負担を少しでも軽減するために、皇配殿下をはじめ皇族方の役割が大切になる。
宮内庁もさまざまな配慮をすべきだし、国民の理解も必要だ。
継承のルールとしても、直系優先かつ直系の中では男子を優先すべきだろう。
しかし、ご負担を理由に女性天皇の可能性を一切排除すると、皇位の継承そのものの前途が不安定になってしまう。

Q8
女性天皇ご即位のあと、直系の男子がお生まれになったら譲位されるのか?

A
「直系の男子」を誤解しているのでは。
先帝崩御をうけてのご即位だから、直系の男子がお生まれになるとすれば、それは女性天皇ご自身のお子さま以外ありえない。
もしご長男なら「皇嗣たる皇子」つまり皇太子だ。そうでなくても譲位の必要などもちろんない。
さらに新旧典範は、皇位継承に恣意性が働くのを避けるため、譲位を認めておらず、それは今後も維持されるべきだ。

(つづく)

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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